博士課程工学専攻1年の靖宇馨さんと工学部応用化学科4年の櫻井康聖さんが電気化学会第91回大会で優秀学生講演賞を受賞
令和6年3月14日(木)~16日(土)、名古屋大学で開催された電気化学会第91回大会において、博士課程工学専攻1年の靖宇馨さんと工学部応用化学科4年の櫻井康聖さんが優秀学生講演賞を受賞しました。
本賞は、電気化学分野の発展に資する優れた講演を行った学生に贈られるものです。(学年は令和6年3月現在)
博士課程工学専攻エネルギー物質科学コース1年 靖 宇馨さん
■指導教員? ?:奥崎秀典 工学域応用化学科教授
■受賞テーマ:「可溶性自己ドープ型PEDOTの電解重合とフレキシブルバイオセンサへの応用」
■研究内容? ?:側鎖にアルキルスルホン酸基を有する3,4-エチレンジオキシチオフェンを電解重合することで、400 S/cmを超える高い電気伝導度を有する可溶性自己ドープ型S-PEDOTを初めて合成した。さらに、ラインパターニング法を用いてS-PEDOT電極を形成し、フレキシブルなグルコースセンサを作製した。注射針の先端にグルコースセンサを巻き付けることで、採血と測定を同時に行う一体型素子を作製した。
■コメント? ?:この度は、優秀学生講演賞を頂き、大変光栄に思います。この栄誉ある賞を受賞できたのは、ご指導をいただいた奥崎教授をはじめ、サポートしてくださった研究室の先輩や後輩たち、皆様のお陰であると実感しています。この賞を励みとして、今後も可溶性自己ドープ型S-PEDOTをさらなる発展させることができるように取り組んでいきたいと思います。
工学部応用化学科4年 櫻井康聖さん
■指導教員? ?:奥崎秀典 工学域応用化学科教授
■受賞テーマ:「導電性高分子アルミ固体電解コンデンサの高耐電圧化」
■研究内容? ?:代表的な導電性高分子であるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリ(4-スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)のPEDOT側鎖にアルキル基を導入した新規PEDOT:PSS誘導体を化学酸化重合により合成した。アルキル側鎖が長いほど結晶化度や電気伝導度は低下し、キャリア移動度の減少に起因することを明らかにした。さらに、アルキルPEDOT:PSSを電極に用いることで、アルミ固体電解コンデンサの耐電圧を大幅に向上させることに成功した。
■コメント? ?:この度は、優秀学生講演賞という名誉ある賞を頂き光栄に思います。指導教員である奥崎教授をはじめ、共同研究者の靖さん、日本ケミコンの河合様、浜田様、町田様に心より感謝申し上げます。これを励みに、コンデンサのさらなる高耐電圧化に向け、今後も研究に取り組んでいきたいと思います。